2019年に発生し、世界で数百万人もの命を奪った新型コロナウイルス感染症の大流行は、人類に感染症の怖さを再認識させました。この改訂新版はペスト、結核、マラリア、天然痘、コレラ、インフルエンザ、HIV/AIDS等の疾病の生物学的特性が、パンデミックの発生にどのような影響を与えたかを明らかにします。また、検疫などの国家による社会的統制、パンデミックを契機とした公衆衛生の台頭と医学の爆発的な進展にも重点 ... 続きを読む

イギリスの憲法は、経済、政治、社会環境の変化に呼応する形で有機的に発展してきた経緯を持ち、その特徴は、憲法典としては制定されていない、国家の性格を規定するものの集合体であるという点です。この改訂新版では、初版発行後の10年間の出来事、即ちBrexit、2014年のスコットランド独立住民投票、北アイルランドの和解などを盛り込みつつ、イギリスの憲法の本質と権限、そしてそれが将来に直面するであろう問題を ... 続きを読む

反アパルトヘイト運動の指導者として、その顕著な活躍により「正義の象徴」とも謳われるネルソン・マンデラ（1918-2013年）。2008年に刊行した初版は、その影響、関心、主要な思想というレンズを通して彼の人物像と業績を読み解き、マンデラ研究の流れをつくりました。その死に対する反応、死後に登場したより批判的な文献、生誕100周年をきっかけとした再評価の動きを踏まえて改訂したこの第2版は、マンデラの「 ... 続きを読む

demos（人民）が政府に対し発言権を持つことを意味する民主主義は、政治の理想的な形態であり、現実でもあります。しかし、近年では災害や政治に関する無関心が大きな課題となっていて、民主的世界秩序はさらなる将来の目標です。歴史を振り返ってみると、さまざまな民主主義的価値観のもとで、多くの人々が排除されてきました。ナオミ・ザックによって新たに書き下ろされた本書は、古代アテネやローマ以降、今日に至る民主主 ... 続きを読む

映画音楽とは何か、どのように作曲されているのかといった実践面、そして映画音楽の機能を説明するために生まれた理論の両面から、映画音楽を解説するコンパクトな概説書です。世界中の映画音楽を形作ってきた作曲家や演奏家の魅力を紹介するにとどまらず、今日の映画音楽研究における重要な問題を幅広く取り上げています。改訂第2版は、アフリカ、アジア、南アジア、ラテンアメリカの映画音楽や、これまであまり取り上げられてこ ... 続きを読む

米国最上級の裁判所、連邦政府の司法府である連邦最高裁ならびに裁判や司法行政に携わる人々の役割とは？ 『ニューヨーク・タイムズ』紙の司法記者として30年にわたり最高裁で取材を行った著者が、憲法問題や連邦法、歴史的に名高い判例を取り上げ、連邦最高裁での審理に至る過程、裁判官・裁判長・法務書記らの役割、裁判所と政府部門との関係などについて基本から解説し、諸外国の最高裁との違いにも注目します。第3版は、オ ... 続きを読む

私たちを目の前の現実から解放し、感覚を豊かなものに、経験を意味あるものにして、人間性を形づくる想像力を取り上げ、概説します。哲学、美学、文学、認知理論、人間科学を駆使して、想像力という概念の変遷と、認知における想像力の役割について説明し、日常における想像力の重要性から、芸術的創作や科学的発見、発明などに発揮される創造性までを検討します。洞窟画から現代絵画、パフォーマンス・アートからポップ・アート、 ... 続きを読む

「リモート勤務」と「ハイブリッド勤務」はいまや、ほぼすべての人に影響を及ぼしています。多くの人が在宅勤務の利点と課題を発見し、人々は空っぽのオフィスやバーチャルなチームと対峙し、管理職は遠隔での管理・指導を学び、企業や政府はこの新しい働きかたが及ぼす影響について検討しています。 本書は、30年以上にわたって応用心理学、組織行動学、コンピュータを介したコミュニケーション、組織経済学の分野を研究して ... 続きを読む

多種多様な話題に触れながら、法が保護すべき言論と、処罰すべき言論をどのように区別するかについて解説する、言論の自由についての入門書です。ヘイトスピーチや偽情報のように物議を醸す言論を保護すべきか、といった重要な議論を理解し、そこに参加する上で不可欠となる土台を読者に提供します。 現在の米国憲法修正第一条に重点を置き、多くの問題と判例を紹介しながら、強力な言論保護の原則が米国の人種的正義やその他の ... 続きを読む

ソ連の崩壊、米国のイラク侵攻を経て、2010年から11年にかけての騒乱の余波の中、新たな中東が出現しました。シリア（内戦で人口の半分が避難）とイラクの政治的空白地帯ではISIS（通称「イスラム国」）をはじめとするイスラム過激派組織が勢力を増し、政治活動が暴力的な手段に傾倒していく方向性が決定的になりました。一方、エジプトとバーレーンの政権は反乱後さらに抑圧的になって、リビアとイエメンは事実上国家と ... 続きを読む