基礎的な物理学と数学的概念を用いて太陽の物理特性、構造、形成、未来の進化などの知見をまとめた一冊です。太陽に黒点が出るのはなぜなのか、表面で爆発現象（太陽フレア）が起きるのはなぜなのか。太陽の複雑な特性は、常に変化し続ける太陽の磁気と関係しています。これがありふれた星を、惑星間空間に可変型放射線や高エネルギー粒子、磁気を放出させる「マシン」へ変えるのです。太陽について解明できれば天文学や基本物理学 ... 続きを読む

人種差別主義の根深く多面的な歴史とさまざまな要因（生物学的・文化的・色盲的・構造的差別）について概括する一冊。新版は「イスラム恐怖症」「新たな反ユダヤ主義」「白人性」「交差性」「無意識に持っている偏見」「暗黙の偏見」などの新たな概念や問題を取り上げています。人種差別を理解することの重要性、欧米のマイノリティが白人支配の社会で不利な立場に置かれ続けている理由、大衆迎合・排外主義、極右運動の高まりの背 ... 続きを読む

遺伝子の発現がいかに複雑に管理されているか、シグナル伝達がいかに円滑に生命個体を動かしているか、細胞がどんなに複雑な構造を持っているかなどは、生命の諸現象をシステムとして捉えようとするシステム生物学によって明かされてきました。オーダーメイド医療や創薬、食糧やエネルギーの生産、持続可能な環境への責務に対する応用や、生命システムの理解には不可欠の、膨大な数の要素とそれらの相互作用によって生じる非線形な ... 続きを読む

歴史に残る航空戦、難局、論争、そして科学技術の進展とともに向上していった空軍の能力の進展に触れながら、航空戦の包括的な歴史を描き出します。2度の世界大戦における空軍の役割、航空戦力が決定打となったアフリカ、南米、アジアでの戦闘にも光を当てながら、空軍の役割、空戦が概念的にほかの軍種と異なるのかといった問題を検討します。また、今後も有人戦闘機の空軍が存続するのか、あるいは無人戦闘機が支配することにな ... 続きを読む

思考力に個人差があるのはなぜなのでしょうか。改訂第2版は膨大なデータから知能にはどのような種類があり、それが年齢とともにどう変化するのかを読み解き心理学者たちが辿りついた答えをまとめていきます。そのなかで大きな脳の持ち主ほど知能が高いのか、遺伝子と環境が人の知能の違いにどのような影響を与えるのか、といった火急の問題に取り組みます。また、知能と健康、長寿との関係性を研究する新しい研究領域の認知疫学や ... 続きを読む

第30代大統領のクーリッジは「アメリカの本分はビジネスである」という言葉を残しています。国内外にどのような競争があり、経営戦略はどう変化し、なぜ大企業支配からベンチャー主導に移行したのか。何が米企業の大規模化をもたらしたのか。「発展史」「規模」「文化」の3つのテーマのもと、米国のビジネスが国内経済に示す存在感、歴史、社会での位置付けを独立戦争から今日まで年代順に見ていきます。企業活動の特徴、意義、 ... 続きを読む

北アイルランドでは数百年に渡って紛争が続いており、民族や宗教の対立をはじめ、その歴史的・政治的背景は複雑に絡み合っています。全面的に改訂したこの第2版は、19世紀の共和主義の台頭からアイルランド統治法での南北分割、公民権運動、シン・フェイン党の発足とIRA暫定派の創設、そして民主統一党の登場など、北アイルランド史上の主な出来事を概観するとともに、過激派の回想から最近明らかになったことや、ジェンダー ... 続きを読む

南北戦争終結後の合衆国が直面したのは、連邦を離脱し奴隷制擁護を憲法で公然と表明して北部と戦った南部11州をどのように合衆国に復帰させ、再建するかという問題でした。奴隷制度を全廃し、憲法修正第14・15条で黒人の市民権、投票権が承認され、連邦議会に黒人の議員が誕生するなどは前進でしたが、リーダーシップの欠如が新たな差別問題を生み、米国の社会機構に汚点を残すことになりました。連邦軍が南部を撤退する18 ... 続きを読む

19世紀末から20世紀初頭にかけて、欧米諸国では社会改善運動の文脈で禁酒運動が盛り上がりを見せました。植民地時代に敬虔なキリスト教徒や婦人運動に端を発した禁酒運動が展開された米国は1920年1月16日、合衆国憲法修正第18条下で酒類の製造、販売、輸送を全面的に禁止する「禁酒法」を制定した歴史を持ちます。それから100年の節目を迎え、立法に至った経緯から、1933年の撤廃まで、禁酒法が米国社会にもた ... 続きを読む

「多くの国民の父」を意味する名が与えられ、人類救済の出発点として神に祝福され、聖約を交わした最初の預言者アブラハムの伝統を受け継ぐことから「アブラハムの宗教」と呼ばれるユダヤ教、キリスト教、イスラム教。唯一神を拠り所とするこの三宗教は、共通の起源以上に相互に連関しあい、それぞれの発展には体制上の革新を求めた宗教改革や伝統的実践の復興を目指した宗教運動の影響、国との関係を含む政治の力、そして近代化も ... 続きを読む