およそ1500年の永く豊かな歴史を誇る日本文学を俯瞰します。8世紀には既に和歌や朗詠が、やがて物語文学が盛行で、11世紀には世界に名高い『源氏物語』が著され、日記、随筆、戯曲、絵本、文芸評論など、幅広い形式とジャンルが発展していきました。それを支えているのは教養のある読者、文壇、専門誌、該博な知識を持ち作家の発掘・育成に貢献する評論家、そして礎となる古典です。伝統に極めて忠実ながら海外からの文化的 ... 続きを読む

私たちの日常に密接に関わる哲学の一分野である倫理の核に位置するのは「人はどう生きるべきか」という問題です。生と死、幸福、欲望、自由などにまつわる道徳的問題に真っ向から取り組む倫理は、人生の意味をどうとらえるべきかや、しばしば道徳論争を支配する絶対的なことに対しても疑ってかかることの大切さを教えてくれます。新版は心の拠り所を持つことが難しい、流動的で不安定な世界に生きる私たちが倫理・道徳の取り組みを ... 続きを読む

冷戦はいつどのように始まって、米ソのみならず欧州や第三世界にどのような影響を及ぼし、それによって20世紀後半の歴史はどのように変わったのでしょうか。1945年から1990年までを取り上げる新版は、ヴェトナム戦争、1970年代の国際政治、冷戦の終焉に関する最新の調査研究と分析を反映する形で改定しています。冷戦の概要を提供することで読者に新たな議論のきっかけを与え、さらなる探究を促す一冊です。 &n ... 続きを読む

国家による福祉・公共サービスの縮小と大幅な規制緩和、市場原理主義を重視する新自由主義は、1990年代後半には世界で最も支配的な経済規範でした。その歩み、特徴、各国で行われた改革に注目します。2008年の世界的金融危機、近年のナショナリズムの台頭で岐路に立たされている新自由主義は変化を余儀なくされています。新版にはポピュリズムの再燃が新自由主義に与える影響を考察する新章を追加。2010年以降の動向と ... 続きを読む

今日の主な法制度のひとつとして、中東、アジア、アフリカの国では国法化しているところがあるほか、西洋のムスリム社会にも絶大な影響力を持つイスラーム法（シャリーア）。しかしながら特に西洋では誤解も少なくないようです。本書ではシャリーアの歴史をはじめ、家族法、相続法、金融法、刑法、国際法などを引き合いに、法解釈や運用に言及しながら、その成り立ちと特徴について信頼の置ける解説を提供します。(cf. Sha ... 続きを読む

複雑かつ多様化する世の中で潜在顧客にアピールし続けるのが難しくなっている昨今、顧客のニーズを解き明かし、社会との相互理解を得るマーケティングは、組織にとって広告や販売促進以上の意義を持つ、幅広い顧客関係管理の活動です。競争優位性の発揮におけるマーケティングの重要性、時流を踏まえ常に新たな手法を取り入れ刷新し続ける必要性、倫理面などの責任についても触れるほか、どのように顧客の購買習慣に呼応したマーケ ... 続きを読む

伝統・民族音楽、クラシック、ジャズ、ロック、ポップスなど多様なジャンルが存在する音楽。西洋音楽の文脈に拘ることなく、18世紀から今日までの世界の音楽の流れをはじめ、生演奏の価値、社会や政治との関わり、楽器の役割や記譜法、そし創造性まで広い視野で考察します。改訂新版はデジタル技術の進展が音楽の制作、消費、ビジネスに与えた影響や、音楽が今日の異文化間コミュニケーションに果たす役割にも目を向けます。 ... 続きを読む

古代エジプトの歴史と文化、そしてこれを研究するエジプト学について概括します。ファラオによる統治や独特の文字体系もさることながら、民族、人種、ジェンダー、性交渉、そして死や葬儀、ミイラ製作の背景にある宗教・倫理観についての最新の学識を踏まえて改訂した新版です。古代エジプトに対する熱狂の歴史や「アラブの春」が博物館や文化遺産に与えた影響についても考察します。(cf. Egyptian Mytholog ... 続きを読む