ニュートンをはじめ多くの科学者が取り組んできた潮汐現象の正体。19世紀には潮汐表の形で満潮と干潮の時刻と潮位の予報が可能になり、20世紀には地球規模でめぐる海水の流れに重要な働きをしていることが判りました。海水温や混濁、大規模な渦潮や潮津波といった現象、海に住む生き物の産卵や活性にも影響を与えています。今日では木星や土星の衛星の潮汐作用の影響や、潮汐力で暖められた液体でできた海の生態系の有無に関し ... 続きを読む

太陽光、風力、水力、バイオマスなどの主要なものから地熱、流水・潮汐、波力まで、再生可能エネルギーを取り上げます。繰り返し取り出して利用可能なエネルギーの導入にあたっての課題、エネルギー貯蔵、燃焼の無害化の必要性、発展途上国における可能性についても考えるほか、世界の政策や取り組み、近年の風力、太陽光による発電、蓄電設備、「Power to Gas」と呼ばれるエネルギー貯蔵技術も検討。気候変動に対応す ... 続きを読む

これまで英訳されていない文献を踏まえ、20世紀を代表する理論物理学者のニールス・ボーア（1885-1962年）の功績に改めて光を当てます。若いうちから研究所の設立に奔走し、自由で世界に開かれた研究の場をつくりあげることで前期量子論を切り開き、その展開を先導したボーア。指導者として卓越した先見性と行動力を支えたボーアの人柄や人間中心主義的思想、20世紀初頭の科学を取り巻く状況について、多角的な考察を ... 続きを読む

目の前を黒い猫が横切ったら、あるいは鏡を割ってしまったら、不吉なことが起きる前兆だと捉えますか？ 迷信や都市伝説は一体どこで生まれ、なぜ根強く語り継がれるのでしょうか。迷信は2000年にわたり、異端や宗教上容認できない慣習に汚名を着せ、社会的に隔離することを主な目的としていました。今日のように科学が発達した世の中で、高等教育を受けている人でさえ信じてしまう迷信。それらが消えて無くならない心理的背景 ... 続きを読む

古代の天体観測にはじまり、古典期インドの天文学や中世イスラム数学で研究され、15世紀ドイツの天文学者レギオモンタヌスによってほぼ今日の形式になった三角法。啓蒙時代にテイラー展開や一般角に対する三角関数を定義したオイラーの公式、フーリエ級数展開などへ発展したように三角法から派生した概念の応用分野は幅広く、現代文明の存立に欠かせない存在となっています。三角関数の性質やその応用を研究するこの一分野につい ... 続きを読む

二酸化炭素の排出と温室効果ガスの削減、持続可能な方法でのエネルギー供給、燃料技術の根本的な改革が、今日の科学者や政策立案者に広く支持されているエネルギーシステムの方向性です。化石エネルギー資源の重要性とその搾取のため行われてきた歴史的投資を顧みるとともに、増加し続けるエネルギー利用について考えます。環境に優しい低炭素システムへの移行がどのような影響をもたらすのか、さまざまな再生可能エネルギー資源か ... 続きを読む

科学で最も意見が割れる遺伝子操作などの哲学的問題や、従来の哲学にも深く影響する「自由意思」「本質主義」「生まれか育ちか」といったトピックまで扱う生物哲学は、科学哲学の中でも重要なー領域としてこの40年で急浮上しました。自然淘汰による進化論、機能やデザインの概念、個体性、適応主義に関する論争など、生物学史をなぞりながら主な論点やパラダイムシフト、そして今日の中心的な問題を概説し、こうした問題に取り組 ... 続きを読む

小説家、劇作家、哲学者として活躍したアルベール・カミュ（1913-60年）。不条理論に特徴づけられるその著作は、映画やポップソングの題材になるなど影響力を持ち続け、政治や社会状況を論じる際にも度々引き合いに出されています。その作品や思想には多くの矛盾や曖昧さも指摘されていますが、仏領アルジェリアの生まれであることや、2度の大戦と内戦の経験も顧みる必要があるでしょう。生涯と著作を踏まえ、哲学や文学に ... 続きを読む

Written by the best known authority in the field of political consulting Provides up-to-date objective and concise answers on campaigns and elections Covers major campaign and election trends in t ... 続きを読む

市民権は現代の政治において最も熱い論争の的となっています。国際人を自認するエリートや人権擁護者が「グローバルな市民権」という概念を熱望する一方で、ポピュリズムや移民排斥主義が国籍の重要性に関する議論を再燃させています。 市民権はかつて、相互扶助と犠牲を約束する個人間の連帯を表すものでした。しかし、市民権が国籍とは切り離して考えられるようになるにつれ、平等というより特権の目印に変わりつつあります。 ... 続きを読む