タンパク質を主体とする高分子化合物で生物の細胞内で合成される酵素は、生命の営みを可能にする驚くべき極小の分子機械です。そのひとつひとつがDNAの作成から食物の消化まで、生体内で単一の化学反応を触媒します。なぜ、どのように触媒作用を発揮するのか解説し、X線結晶構造解析で酵素分子の立体構造が特定できるようになるまでの酵素研究の道のりを概括します。酵素の働きが関係する疾病、医学分野での活用、食品、日用品 ... 続きを読む

高分子やコロイド、エラストマー、ゲル、膜、ミセル、液晶、超分子、生体分子などのやわらかい物質を対象とし、物性物理学、化学、生物学の境界領域でこの30年の間に進展したソフトマター科学を取り上げます。その概要と内部構造を掘り下げ、ブラウン運動がいかにその根底の基本的原則に位置付けられるかを説明します。とろけるチーズや蜂蜜からヘア・コンディショナーまで「ソフトマター」に共通する物理的性質がそれらの力学的 ... 続きを読む

ルネサンス期フランスを代表する思想家のミシェル・ド・モンテーニュ（1533-92年）は「随筆」という文学形式の創始者として遍く知られる存在です。しかし宗教戦争の渦中にあったその生涯に目をやると、新教・旧教の勢力が拮抗する時代に異なる立場の融和を目指した調停者としての姿勢や政治的活動が浮かび上がります。晩年に執筆したモラリスト文学の傑作『エセー』（随想録）をそうした文脈に位置づけ、生涯、思想、著述を ... 続きを読む

何十億人もの人が何らかの宗教を信仰し、その信念に方向付けた振る舞いをしています。宗教は生き方の規範を提供する一方で、自己と他者を分ける根拠ともなり、そこで生じる境界線が対立を招く側面も否定できません。古代の宗教的行動の起こりから今日の世界的な動向まで、宗教が人間社会にもたらす圧倒的で普遍的な力について熟考します。人類史そのものといえるほど長い宗教の歴史と、今日帯びている複雑な役割について公平な視点 ... 続きを読む

アメリカ南部といえば、特色ある文学、映画、音楽、郷土料理などで世界に広く知られています。その魅力や創造性の根底にあるのは、南部の社会を構成する多様な人種や文化、そして植民地時代の奴隷制度をはじめ公民権運動に至った根深い人種差別や南北戦争の苦しい記憶です。近年はさらに移民流入の増加でこれまで以上に文化、社会、経済、政治が複雑化しています。多文化社会アメリカの一面を形づくる、南部の独特な文化とその背景 ... 続きを読む

多人種国家としての米国が形成される起点として、歴史的に重要な意味を持つ南北戦争。本書はまず奴隷制を禁止する「自由州」と、認める「奴隷州」の対立軸にに代表される複雑な背景事情を洗い出します。連邦国家としての統一の維持という当初の目的が総力戦に転じた理由、大義名分が黒人奴隷制度の廃止へと転換したプロセスに注目しながら、政治、社会、軍事面での主要な出来事を年代順に網羅し、今日への余波も考察します。米国史 ... 続きを読む

レベル7～9に対応した、教師用指導書です。 ... 続きを読む

レベル4～6に対応した、教師用指導書です。 ... 続きを読む

レベル１～３に対応した、教師用指導書です。   ... 続きを読む

2014年、イエメン北部の部族連合が首都サヌアを占拠し、1962年から統治してきた共和制を打倒しました。「フーシ運動」と呼ばれ、ザイド派（シーア派の一派）の反政府武装組織が、南部で分離主義運動を展開し、サーレハ前大統領の政党と争うなどして主導権争いを続けているのです。アラビア半島の南西に位置するイエメン共和国は近年、内乱、宗派対立、飢餓、そして病気の蔓延と同義語になってしまいました。しかし、この国 ... 続きを読む